上野敏郎の
         上野敏郎の今週のコメント

第1392回普段着のとかちミーティング


開催日 令和3年11月17日(水)
【話 題】 子どもは遊びの大天才 [15]
− だるまさんが転んだ −


〜だるまさんが転んだ〜

「だるまさんが転んだ」で鬼が振り向くと、プレイヤー達は動きを止めて
立ち止まります。実は、このゲームは鬼ごっこの変種の一つだそうですよ。


名前の由来としては、鬼が「だるまさんが転んだ」という掛け声を唱える
ことからですが、この掛け声は地域によって様々なバリエーションがあります。

坊さん(ぼうさん、ぼんさん)が屁をこいた」(近畿地方)
 「練兵場の兵隊さん」(大阪市中央区、法円坂、森ノ宮一帯)
 「インディアンのふんどし」(関東地方)
 「インディアンのくろんぼ」 「兵隊さんが通る(った)」 「くるまん(の)とんてんかん」(宮城県)
「乃木さんは偉い人」 「インド人の黒ん坊」(九州中国四国地方・石川県)
 「寿がきやのやきうどん」 「ひみなこと」(和歌山県)
「お母さんの貼箱」(新潟県三条市一部地域)


基本的なルールとしては、鬼を一人立て、その鬼が他の参加者をすべて捕虜に
しようとし、鬼以外の参加者は、次の鬼になることを回避しようと、鬼に触れた後に
より遠くへ逃げます。最初に鬼に触れた人が、鬼が進める歩数を提示し、
その歩数内で参加者にタッチできれば、鬼を交代します。
このほかにも色々なローカルルールやアレンジルールもあり、子どもから
ある程度の大人まで楽しめるようなルールも存在しています。

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 〜豆知識〜

○世界共通の遊び?○

だるまさんがころんだと似た遊びに、英語圏のレッドライト・グリーンライト
(Red light, green light)があります。細かいルールに違いはありますが、基本的には参加者は
鬼から離れたところからスタートし、最初に鬼に触った人が勝ちとなります。
ただし動くことができるのは鬼が後ろを向いて「グリーンライト」(青信号)と
言ったときだけで、鬼はいつでも突然振り返って「レッドライト」(赤信号)
と叫ぶことができるため、このときただちに静止しないと、その参加者は失格になります。

 「ある言葉を言っている間だけ動いて良いというルールで、そっと鬼に近付いていく」
という点で、日本のだるまさんがころんだによく似ている一方、顕著な違いとして、
日本のだるまさんがころんだでは鬼にならないことが参加者の目的であり、参加者らは鬼でない
「みんな」の中にとどまろうとします。敗者が次の鬼となるのに対し、
レッドライト・グリーンライトでは鬼になることが参加者の目的であり、参加者は
「みんな」と違う特権的な信号灯役になろうとし、勝者が次の鬼となる
というルールだそうです。


アメリカのほかにも、ルールに誤差はあれど同じようなゲームが存在します。

韓国:「むくげの花が咲きました(무궁화 꽃이 피었습니다)」。
香港:「一二三、紅酷普i信号機)、過馬路(道路を横断)、要小心(気を付けて)」
 中国:「一、二、三、(我们都是)木头人(木頭人。(私たちはすべて)『木の人形』の意)」
フランス:「1、2、3、太陽」(Un, deux, trois, soleil)
スペイン:「1、2、3、イギリスのチョコレート」(Un, dos, tres, chocolate inglés)
イタリア:「1,2,3,星(stella)!」
イスラエル:「1,2,3,塩魚!」(דג מלוח)

最近韓国のドラマ内でもプレイヤーに課せられるゲームとして
取り上げられました。昔に遊ばれたゲームは、ここまで時代がかわった今でも
絶やすことなく子ども達の遊び心に火をつけ続けているのですね。




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〜だるまさんが転んだ〜





(画:鎌田博文氏)



(画:菅野孝雄氏)

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