上野敏郎の | |
上野敏郎の今週のコメント |
第1441回普段着のとかちミーティング |
開催日 令和5年1月19日(木) 話 題 「帯広地方の子守唄」を考察する [6] −「赤い山青い山白い山」の謎− |
「赤い山青い山白い山」の本籍地 その4 第1439回で紹介した「北谷の子守うた」の資料には、「NHK資料室テープ」の文字が見える。この資料は、福井県勝山市の市史編纂室から提供を受けている。この「NHK資料室テープ」が、平成4(1992)年に日本放送出版会から発行された「復刻 日本民謡大観 中部篇(北陸地方)」の前に出版した、つまり「復刻版」ではない「日本民謡大観 中部篇(北陸地方)」を指すとすれば、「北谷の子守うた」の音源は確認できることになる。 少なくとも、「復刻 日本民謡大観 中部篇(北陸地方)」には、「現地録音・CD解説」があり、その音源は私自身が札幌の図書館で確認済みである。 先ずは、平成4年発行の「復刻 日本民謡大観 中部篇(北陸地方)」に掲載され『福井県T「1」子守唄 (勝山市北谷北)』と書いてある「ねんねの寝た間に」の歌詞を紹介したい。ここでは、この子守唄の曲名はない。 ねんねの寝た間に 何しょいの 小豆餅の橡餅や ごんぼの葉に包んで 赤い山へ持ってけば 赤い鳥がつつく 青い山へ持ってけば 青い鳥がつつく 白い山へ持ってけば 白い鳥がつつくよ (不明)に大雨降り出でて からかさ屋へと駆け込んで 唐傘一本かせというた あるものないというてかせなんだ やれやれごうわけ腹立ちや そのようにお腹が立つなれば こんどめいのちのあったおり とっておいてかせましょや その解説はは次の通りである。 「勝山市は県の北東県境に接して、石川県側の白山山麓白峰村へ抜ける街道沿いにある。その街道の奥まった旧北谷村谷の唄。これは七五の字音で長い文句を次々にうたっていく形で、331ページ掲出譜の各地の唄とは、土地はやや離れているが同種のものである。〈赤い山、青い山・・・〉の類歌は県近年著名。」とある。 |
文責:上野 敏郎 |