上野敏郎の
         上野敏郎の今週のコメント

第1446回普段着のとかちミーティング


開催日 令和5年1月30日(月)
話 題 「帯広地方の子守唄」を考察する [11]
     −「赤い山青い山白い山」の謎−

「赤い山青い山白い山」の本籍地 その9  
 「考察 3」でも取り上げたが、ここでもう一度、昭和52(1977)年に発行された石崎直義著「北陸のわらべうた」(第一法規出版株式会社)に載っている福井地方の唄「ねんねの寝た間に」について考えたい

 ◆ねんねの寝た間に なにしょいの
  小豆餅や 栃餅や
  ごんぼ(ごぼう)の葉に包んで
  赤い山へ持ってけば
  赤いぞうりがつづく
  青い山持ってけば
  青いぞうりがつづく
  白い山へ持ってけば
  白いぞうりが続く
  (後略)  

 この子守唄には曲名はないが、詩の流れは実に帯広地方の「赤い山青い山白い山」によく似ているのである。違いは、帯広地方の唄は「小豆餅の 橡餅や」であるが、この唄は「小豆餅や 橡餅や」と歌う。
 二つ目は、帯広地方の唄は「小豆餅の 栃餅や」の次はすぐ「赤い山へ持って行けば」と入るが、福地地方の唄は「ごんぼ(ごぼう)の葉に包んで」と歌い、「赤い山へ持ってけば」と歌うのである。
 そして三つ目は、帯広地方は「赤い鳥」、「青い鳥」、白い鳥」が「つっつく」のであるが、福井地方は「赤いぞうり」、「青いぞうり」、「白いぞうり」が「つづく」となっている。
 なぜ、このような違いができたのであろうか。この探求は、「赤い山青い山白い山」の本籍地を探す重要なカギになると思っている
文責:上野 敏郎


 


−帯広地方の子守唄−



帯広地方の子守唄「赤い山青い山白い山」の歌詞