上野敏郎の | |
上野敏郎の今週のコメント |
第1447回普段着のとかちミーティング |
開催日 令和5年2月3日(金) 話 題 「帯広地方の子守唄」を考察する [12] −「赤い山青い山白い山」の謎− |
「赤い山青い山白い山」の本籍地 その10 「考察11」の続きだが、詞の最後に「(後略)」とある。この「後略」のカ所の文句を調べるために福井県立図書館と福井市立図書館に文書で問い合わせをしたところ、その資料は見当たらないとの回答であった。 その回答はネットで探した本にあった。それは、平成4(1992)年に日本放送出版会から発行された「復刻 日本民謡大観 中部篇(北陸地方)」である。その本の95ページにはこう記載されている。 福井県T (1) 子守唄(勝山市北谷谷) ねんねの寝た間になにしょいの 小豆餅の橡餅や ごんぼの葉に包んで 赤い山へ持ってけば 赤い鳥がつつく 青い山へ持ってけば 青い鳥がつつく 白い山へ持ってけば 白い鳥がつつく (不明)に大雨降り出いて からかさ屋へと駆け込んで 唐傘一本かせというた あるものないというてかせなんだ やれやれごうわけ(※)腹立ちや そのようにお腹が立つなれば こんどめいのちのあったおり とっておいてかせましょや この詞には、「赤いぞうり」も「青いぞうり」も「白いぞうり」も出てこない。すべて「ぞうり」は「鳥」になっている。 それと、(※)をつけた「ごうわけ」は、地元資料と比較して「ご (業)わき」の間違いであろうと思われる。「業わき」とは、「腹の立つこと」の意味だとする。 |
文責:上野 敏郎 |